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ノンシリコン神話 (無添加という魔法の言葉) 三沢市美容室プリズム

ノンシリコンシャンプーは安物成分でぼったくり?
シリコン悪玉論、無添加礼賛のウソ

 

●ノンシリコン神話~シリコンが悪いわけではない

 最初に、地味だけど大事なことをひとつ。

  シャンプーの成分としての「シリコン」は、厳密にはシリコーンオイルといいます。中心となる構成元素であるシリコン(silicon)を含む油状物質で、 英語では silicone と書くため、シリコーンオイルないしはシリコーンというのが正確な呼び名です。ただ、本記事では、便宜上シリコンと呼ぶこと にします。

 最近のシャンプーコーナーに行くと、ノンシリコンシャンプーが一角を占拠し、さもノンシリコンがブームのように思わせられま す。そして宣伝ポップでは、シリコンを配合していないことを強調しています。他の棚の商品はシリコン入り、この棚のは入っていませんよ、と。なんだかシリコン入りのシャンプーは頭皮や毛髪に悪く、シリコンなしは正義といわんばかりです。

 しかし、商品説明のどこを見渡しても「シリコンは悪いです。」とは書いてありません。

 それもそのはず、シリコンは無害です。まず、アレルギーすら起こしません。この点では、界面活性剤など他のシャンプーの成分で、シリコンより刺激がないものは存在しません。油と界面活性剤で刺激性を比べるのはナンセンスですが、少なくとも皮膚刺激性はありません。

 それでは、シリコンが皮膚にくまなく広がって呼吸を妨げたり、皮脂の代謝を邪魔したりすることはあるのでしょうか?

  シリコンは皮膚の上では細かな網目状に広がっており、完全に覆っているわけではないからです。シリコンは毛穴に詰まって、正常な代謝を阻害するのでしょうか?それについても、多くの実験により無関係とされています。

一部で「有害だ」と叫ぶ人もいるかも しれませんが、十数年前の論文から最近の論文まで論調は変わらず、医学者や生理学者の多数決では「無害」となっています。そもそも豆腐の剥離剤にも使われていますし、創傷治療に傷口に高粘度のシリコンを使うことがあるくらい人体に無害です。

 しかしシリコンも万能ではなく、ただひとつ問題点があります。同時に利点でもあるのですが、シリコンは油にも水にも馴染まない、人間にとっては、ただ安定して乗っかるだけの物質です。 

かつてシリコンの安定性、人体への親和性の高さなどを過信し、あらゆる化粧品からシャンプーまで必要以上に配合された時期がありました。その当時は、シリ コンの製法が安定していなかったために不純物が入ったり、シリコンに別の成分が溶け込み、それが皮膚に定着して刺激が強まるなど、シリコンが直接原因では ないものの、シリコンが悪いという風潮になったことがあったそうです。

 水にも油にも溶けない上に、界面活性剤にも強いため、落とす場合には専用クレンザーを使わなければいけないのですが、現在はシリコン系の化粧品などには専用のクレンザー(化粧品落とし)が売られているので、そういったものを使えば、トラブルは極めて少なくなっています。

  ちなみにシリコンは、シャンプーに使われるあらゆる成分の中で、最も高額な素材だったりします。1kg当たりの値段で比較すると、植物油は200~300 円程度、ラウリル硫酸塩やラウレス硫酸塩なども300~400円以下ですが、シリコンは400円前後もします。故に、安物商品ほどシリコンを入れると原 価率が上がってしまうので、シリコンを悪者にしたいという誰かの思惑が見え隠れします。

 実際に、美容院などで使われるコンディショナーに は、うまくコントロールされた粘度のシリコーンオイルが多く入っており、値段も相応にしますが、ドラッグストアで売っている安物製品に比べ、髪の毛が驚 くほどしっとりするのは、ご存じのとおりです

高い=良いという短絡的な話ではありませんが、プロが愛用するようなきちんとした商品ほど、シリコンの特性 をしっかり生かし、シリコンが多く含まれています。

 

●ノンシリコンシャンプーとはなんなのか?

 

 それでは、実際にノンシリコンシャンプーとやらを化学の視点で考察していきます。

 医薬用部外品ではないこれらの商品には、原材料が配合量の多い順に書いてありますので正体がよくわかります。全体の数十%を占める水は材料の筆頭になるわけですが、水はさておき、そのほかの成分を見ていきましょう。

   数社のノンシリコン商品の成分欄を精査したところ、ノンシリコンを謳う商品には、ラウレス硫酸○○○やラウリル硫酸○○○、もしくは○○○スルホン酸ナ トリウムというものが、だいたい筆頭成分として書かれています。

これらは代表的な石油系合成界面活性成分で、食器用洗剤にもよく使われている、非常に安い 界面活性剤です。他の棚に並んでいる安い製品と何ら変わらないものが使われているのです。

 「石油系界面活性剤だから悪いというのは極論です。」と前回お話しした通り、別段悪いシロモノではありませんが、女性なら25歳、男性なら30歳を超えた皮脂の分泌力の弱まった頭皮には、少々脱脂力が強すぎることが多く、長期の必要は注意が必要です。

 さらに、近年増えてきている謎の売り文句の「無添加」ですが、こちらはノンシリコン以上にオカルトめいた存在です。そもそも何が無添加なのかによって話が全く異なります。

  一般的に消費者は、無添加というくらいなんだから、全て天然由来でつくられていて、防腐剤とか体に悪いものが一切入っていない、体に良い商品に違いない、 と思うかもしれませんが、そもそも完全に自然からの抽出物で商品をつくったら、おそらく1本当たり1万円を下ることはないでしょう。

 しか も、もっと根本的な話をすれば「天然は安全、合成は危険」といっているようなものですが、果たしてそうなのでしょうか? 森にひっそりと生えるドクツル タケは食べると死にますし、可憐なスズランやヒガンバナだって毒があります。

一方、石油由来の精製パラフィンは、鉱物油、ミネラルオイルといわれますが、 あらゆる口紅はもちろん、傷口に塗る軟膏の基剤としても普通に使われています。

無添加という言葉は「何が」無添加なのかを見る基準でしかありません。

 界面活性剤は天然には存在しません。サポニンやレシチン、カゼインといった乳化成分はないわけではありませんが、洗浄作用はありません。故に、シャンプーでは合成界面活性成分が必須となります。

 結局、無添加を売りにする商品を鵜呑みにし、「値段が高いほど良いもの」と考えると、そこにつけ込まれてしまうわけです。

  アミノ酸系シャンプーの代表的な成分、ココイルグルタミン酸TEA(トリエタノールアミン)などは、原材料としてはかなり高額な部類ですが、ボトル1本当 たりの原価は200~300円程度、それがおよそ10倍の2000円前後で、製品は取引されているのが実際です。

これが美容院などで使われているアミノ酸 系シャンプー全般にいえる価格設定です。ちなみに通常のシャンプーの原価も、製品の1/10程度ですから、アミノ酸系シャンプーがぼったくりをしていると いうわけではありません。しかし、ノンシリコンシャンプーの価格設定はこれをはるかに上回っており、まさにぼったくりです。

 200mlく らいの内容量で2000円前後。シャンプーという商品をつくる上で最良の原価配合ですから、逆にいうとこれを大きく上回る価格は、何かしらの裏があるはず です。その理由を正確に見抜くのはなかなか大変ですので、特段の事情がない限り、その辺りより下の価格帯でシャンプーを探してみてはいかがでしょうか?

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